renovation

鉄と煉瓦の事務所

大正時代に建てられ、事務所として使われていた煉瓦造建築の改修である。
石のマグサが架けられた開口部以外は全てH型鋼の枠をはめ込み、補強すると 共に見せることで外観デザインにシャープな力強さを与えている。
室内側には6箇所のH型鋼の柱と梁で立体フレームを組み、煉瓦壁の室内側 への倒れ込みを防止している。外観同様、H型鋼の柱と梁を部分的にデザイン として見せることにより、強固で安心感のある重厚な内部空間にしている。
又以前は隠れていた天井裏を室内に取込むことで空間に広がりをもたせると共に、 木製トラスのメンテナンスも容易にした。
応接コーナーのパーテーションは黒皮鉄板の飾り棚で、蜜蝋ワックスを塗布した だけである。経年変化で表情を変える床の間の背板に見立て、建物と同様に、 時の変化を愉しむところとした。
開口部は全て木製建具とし、メンテナンスは必要だが、歴史的にも貴重な 煉瓦造建築には、木・石・鉄・煉瓦と言った昔から使われている素材で造り上げ ることで、これから先もより味わい深い建物へと成長していくものと考えている。

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